日本文化の時間 お花見のカフェに参加して


お友達のお誘いで、先日『むすび』のボランティアに参加させていただきました。この日は月に一度の日本文化の紹介の日で、日本の歌を歌ったり、日本のむかしばなしの読み聞かせをするということでした。

 集合時間を勘違いしたために、皆さんより遅れて20分前にお部屋に着いた時には、すでに『むすび』の方たちがテーブルにティーカップやお皿、ナプキンなどを揃え終えられ、『むすび』の方の手作りのケーキと桜をかたどったきれいな紙の切り抜き飾りも置かれ、参加者も2名ほどテーブルに着かれていました。

 だんだんと車いすの方、歩行器につかまって歩いてこられる方、自分一人で来られる方などで大きなテーブルはいっぱいになりました。

 認知症の方もおられるということでしたが、コーヒーや紅茶をお勧めすると、自分の好みをちゃんとおっしゃり、またうまく言えない方にはまわりの方が「この人にはコーヒーを」など気遣いがあったりと、みなさん私が想像していたよりもずっとしっかりされていると感じました。

 『むすび』の方が、今日本は桜の季節を迎え東京では満開であること、南から北へと長い日本列島は、桜の花も暖かい南の方から咲き、順々に北上して行くというお話をされ、そのあとで日本の「さくらさくら」を『むすび』の皆さんが、それからドイツの「野ばら」と「ローレライ」を参加者の皆さんも一緒に歌いました。私はこの時に伴奏としてリコーダーを吹かせていただきましたが、このあと引き続きいつも参加者の皆さんが歌っておられる曲集を見ながら何曲か歌う時には、即興で吹けるほどの実力がなくお役に立てなかったのは残念でした。でも、皆さんが楽しそうに歌っていて、こちらも楽しくなりました。

 そのあと、ドイツ語訳の「花咲か爺さん」のお話を参加者の方に読んでいただきました。とてもはっきりとわかりやすく心地よい声で、長いお話でしたが聞いている方達の中には、途中で感嘆の声をあげたり、頷かれる方もいました。

 読み聞かせが終わり、今日の会は終了でした。

 この施設では、皆さんが自分でできることは自分でやっている様子で、介助する手が少ないのかなという印象もありましたが、できるだけ自立を尊重しているからなのかとも思いました。

 『むすび』の皆さんは、カップやお皿などをすべてきれいに洗い拭いて元に戻し、手際よくテーブルや椅子も元通りに直して、今日のボランティアは終了しました。皆さん、慣れた方達だったのだと思いますが、少ない人数でも準備から片付けまで手分けしてテキパキとされていました。

 心のこもった『むすび』の皆さんの手作りのボランティア活動は、参加者の方々や施設の職員の方達に素敵な時間を提供していると思いました。

 私はこの夏、日本へ帰国するのでもう参加できませんが、『むすび』の皆さんの活動がこれからもずっと継続して、広がって行かれることをとても期待しています。